ナラ枯れ状況報告 ページ 2/2
1. ナラ枯れの状態を3つのレベルに分類し、2020年8月と2021年8月の状況変化を1本づつ確認しました。
2. カシナガ捕獲トラップ
2021年6月初旬に、多摩環境事務所に教わったカシナガ捕獲トラップを作成し、ナラ枯れの木に設置しました。
最初は限られた数しか設置しませんでしたが、捕獲を確認した後は周辺に徐々に増やし最終的には160個ほど設置しました。
設置後、一週間ほどでカシナガの捕獲が確認され、二か月後の7月末まで毎週捕獲と洗浄を繰り返しました。
8月に入り気温の上昇で臭いも強くなり、カシナガの捕獲数が減ったのでトラップの活用を終了しました。
集中的にカシナガが侵入するマスアタックと考えられる場所では一つのトラップから数百匹のカシナガを捕獲。一本の木では優に数1,000匹を越えると考えらます。
トラップ設置によりカシナガの被害をどれだけ低減できたかは不明ですが、カシナガの実態を知った意義は大きかったと思います。
3. 猛毒カエンタケ
2020年秋、アドバイザー派遣時に同席いただいた東京都環境局の方から、ナラ枯れの発生に伴って赤い奇妙な形をした猛毒のカエンダケが発生することがあることを教えていただいてました。
触るだけで火傷のような炎症を起こし、食べると死に至ることもある危険なキノコです。
そんなこともあるんだと思ってましたが、7月第一週に環境公社による緑地巡回中に長房保全地域内でカエンダケを確認したとの連絡を受けました。早速カエンダケ発生の張り紙を掲示し、カエンダケ除去作業を開始しました。
カエンダケは前年の“全枯れコナラの根元周辺”に手指のような赤い形をして発生しています。
7月末までに発生のピークを迎え、8月中旬に確認されカエンタケは、赤から薄いオレンジ色に変色してきており、ピークを過ぎたように思われます。今年の経験から、来年は今年新たに確認された“新規全枯れ”182本の根元を注意して探すこととします。
4. 枯損木の落枝
昨年発生した全枯れの複数の木からは大きな枝が数本折れ、一部は散策路上に落下し散策路を塞いでいました。
秋の台風シーズンを迎え引き続き全枯れ木からの落下に注意する必要があります。
なお、これらの活動は、このブログに掲載するとともに、緑地保全地域を管轄する東京都環境局、多摩環境事務所、東京都環境公社に詳細な報告を行なっています。
報告書はこちらからダウンロードできます