ナラ枯れ状況確認報告 8月27日
親林の会として八王子長房緑地保全地域のナラ枯れの状況を確認するため8月27日に会長と広報担当で全域を調査しました。
その結果、前日に20本以上のナラ枯れがあった西部区域だけでなく東部区域でも多くの被害が出ており、大変な状況であることがあらためてわかりました。ナラ枯れの状態となっているのは主に大径木で、確認できた本数は53本(東コース18本、西コース35本)でした。
ナラ枯れはカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によりコナラなどが集団的に枯損するもので、被害木には大量のフラス(カシノナガキクイムシの幼虫が孔道を掘った木くずや糞などが混ざったもの)が見られます。ナラ菌が感染した部分の細胞が死ぬと道管が目詰まりを起こし水を吸い上げられなくなり、この結果ナラの木は7月から8月に葉が茶色くなり枯れてしまいます。その後、枯れた木の中でカシナガが成長し、来年の夏にはナラ菌を持った大量のカシナガが周囲のコナラに飛来し、集中的に穴をあけて産卵します。そして、産卵された木がまた枯れてしまうということが繰り返されることになります。
春に八王子市が大量伐採を行い放置している大径木にもフラスと穿孔が見られました。
このままでは、来年はさらに数倍の被害が発生し、この緑地だけで200本から300本のコナラが枯死することは十分あります。被害拡大を防ぐには、来年夏までに大量の病変木を伐採して、域外に持ち出して焼却する必要がありますが、ボランティア団体が作業できる規模ではもちろんありません。東京都環境局、多摩環境事務所、環境公社に情報提供するとともに、八王子市環境保全課を訪問し情報交換しました。このナラ枯れは東京都では小金井などで昨年から確認されており、八王子市では柚木方面(長池公園など)で広がっているのが確認されているようです。私たちは、近隣の緑地保全地域のボランティアにも情報提供し、今後の連携を呼び掛けています。被害が広範囲に渡っているため、大きな予算が必要で東京都もすぐに対応できないのかもしれませんが、貴重な東京の雑木林を守るため必要な手当てをしてくれるよう望みます。
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